映画、本、NBA、金融……週休5日で働く元経済紙記者が気ままにつむぐ雑記ブログ

後ろの座席は何をする人ぞ〜バスの死角〜

最近、バスに乗る機会が多いのだが、今さらながら気づいたことがある。電車と違って、バスは真後ろという100%死角に赤の他人が座るのが常であり、治安のよくない環境下で乗ったなら、かなり怖いだろうなということ。

今日、バスに乗っていて、真後ろの座席に座った人物が、何やらスプレーをどこかに向けてシューシュー吹きかけていたのが気になり、ふとそんなふうに思った。真後ろで起こっていることだから後ろを振り向かない限り確認のしようがないのだが、しかしながら、見ず知らずの他人に向かって180度体の向きを変えて向かい合うのは、それなりの決心が必要だ。

女性は少し間をおいては、どこかに向けてスプレーを吹きかけており、なんだか落ち着かなかったので、私は首を少し振り返り気味にして横に向け、女性の所作を気にしている素振りを見せることにして、女性に気になっていることに気づいてもらおうと試みた。すると女性は、(音から察するに)今度はほかの場所に向けてスプレーをシューシューやりだし、それを受けてか、後方の座席の男性が大きな咳払いをするのが聞こえた。直後の停留所でその人物は降車していき、その時初めて、件の人物がマスクをした女性だということを知った。真後ろの脅威が去ったのはよかったが、あのスプレーで一体何を吹きかけていたのだろう……。

でも、よくよく考えてみたら、電車に乗っているときでも、満員電車の中では、自分の真後ろに自分の方を向く形で他人が乗ることなど、ザラにある。そう考えると、日常は死角だらけで、潜在的な危険に満ちているんだよなと今さらながら思う。普段は、そうした状況を危ういとも思わずに過ごしているので、私たちはどんどん日常に潜む危険性に疎くなっているのかもしれないなぁ。