映画、本、NBA、金融……週休5日で働く元経済紙記者が気ままにつむぐ雑記ブログ

原稿料のディスカウントで、ついでに思ったこと

フリーで書いた原稿料の一部を請求し損なって、今日、急遽請求した。自身がライターに発注していた頃は、ご丁寧にも毎回、「請求書の締めはいつまでですよー」と知らせていた。立場が逆になってみると、そんな親切な委託元ばかりではなく、当然、自分で管理してこちらから動き出さなければいけないケースもたくさんあるわけだが、それにしても、初仕事の際に請求の件についてまったく説明を受けなかったのは、今回が初めてだった。

基本的に、委託を受ける側である私の落ち度なのだが、依頼主である編集者の頼りない仕事ぶりを見てきていたこともあり、ああやっぱりなと腑に落ちるところもあった。まあ、愚痴っても仕方ない。私が悪いのであり、こういうことは自分でしっかりコントロールしなければ。

いずれにしても、こんなタイミングで先方にも迷惑をかけたであろうことから、いく分ディスカウントして請求することにした。

 

今回、値引きをした際に、フリーの仕事を始めたばかりの頃を思い出した。原稿料を決めて受ける仕事もあれば、原稿を書いた時間給で受ける仕事もあるのだが、この時間給というやつがクセもので(私だけ?)、当初は値引きばかりして、おっかなびっくり請求書を発行していた。初回の手探り状態で、必要以上に時間がかかってしまったしなとか、先方の苦しい台所事情も知っているし…とか、8のマジックに頼って◯◯◯98円で請求してみたりとか、なんというか、わびしい努力をしていた。要するにチキンだったのだ。

その後、週休5日の仕事もあり、また、原稿依頼も増え、さらには持ち前の図々しさが息を吹き返す中で、原稿料のディスカウントはしなくなっていたのだが、今回の出来事があって、ちょっと初心を思い出したような気分になった。

 

値引きといえば、Web媒体を起こした知り合いや、ベンチャー企業を経営している知り合いが何人かいるのだが、こういう人たちは、BtoBで見積もりや請求書を出す際、基本、弱気というか、かなり遠慮した額を出す人が多いという印象がある(相場観がまだつかめていないという面が大きいのかもしれないけれど)。もちろん、中には大胆な金額を請求する人もおり、千差万別なのだろうが、日本においては、自分の仕事、自分たちの事業にはこれこれこういう価値があるのだから、これだけの額を請求・要求する、ということをはっきりと主張できる人は海外と比べると少ないように思う。

なんてことを考えながら、自分が事業主になった際には、淡々と値付けできるような立ち位置にいたいなと思ったのだった。